2021.02.02
長期・分散・積立。
この考え方は世界的にも資産運用の王道と言われています。金融庁も2016年9月の「平成27事務年度 金融レポート」において、次のように発表しています。
「リターンの安定した投資を行うには、投資対象のグローバルな分散、投資時期の分散、長期的な保有の3つを組み合わせて活用することが有効である」。
そこで今回は、長期・分散・積立の中でも「長期」に視点を当ててみようと思います。
なぜ資産運用は「長期」が王道と言われるのか。
一緒に考えてみましょう。
投機とは、字のごとく、いま目の前にある「機会にお金を投じる」ことです。そして、投機はゼロサムのマーケットにおいて勝ち組に入ることで資産を増やします。つまり、自分が儲けるためには誰かが損をしなければなりません。
ですから、情報収集力や分析力、資金量などが勝敗を分けるキーとなりがちです。
一方、投資は違います。自分が儲けるに際して誰かの損失は必要ありません。投資の本質は「成長」にあり、プラスサムになればそれを保有している全ての人が資産を増やすことが可能です。世界経済の成長に伴い、投資対象自体の価値が増すからです。
何事もそうですが、成長には時間が不可欠です。それは経済も同じで、経済を成長させるには時間が必要です。したがって、長期投資は資産形成の王道と言われています。
ただし、投資のプロは一定期間ごとの運用成果が求められるため、悠長な話ばかりはできません。したがって短期投資にも積極的です。が、個人投資家はそうではありません。例えば長い時間をかけ、老後の資金づくりも可能です。あるいは運用環境が悪ければじっと待つこともできますし、目標金額を達成できれば投資をやめたって構いません。
こうしたことから、時間は投資における最大の武器(強み)であることがわかると思います。
長期投資には大きく3つのメリットがあります。
「複利効果」「リスクコントロール」「手間」。
この章ではその3つのキーワドをもとに、長期投資のメリットについて解説します。
複利とは利息の計算方式の一つで、「元本+利息」に利息がつくタイプのものです。単利は一定額の元本から利息を生むだけのものですが、複利では一定期間ごとに利息を元本に加え元本を再計算します。元本の金額が大きくなるにともない利息も増えるのが複利効果です。
例えば、元本100万円として年利5%の運用で考えてみます。この場合、単利では何年経っても毎年の利益は5万円です。一方、複利の場合では、1年後には元本が105万円に増えますから、2年後には52,500円の利益を生みます。
この複利運用を10年単位で続ければ、相当大きな利益の差が生まれます。つまり、配当金や利益を投資資金に回せば効率的に資産を増やせるため、長く運用するほど効果を高めやすいのです。
株式や債券などを筆頭とした金融商品の値動きは、時間経過すればするほど安定しやすい傾向にあります。つまり、保有期間を長くするほど、資産価値が上下に揺れる値動き幅(=リスク)が抑えられますから、長期投資はリスクコントロールしやすいと言えます。
投資におけるリスクヘッジには高度なテクニックも多数ありますが、長期投資はテクニックらしいテクニックが不要なリスクコントロールの一つなのです。
一定期間での成果が期待されるプロの投資家は、短期投資も積極的に行います。そして、変動し続ける値動きを常に注視して対応しています。
しかし、長期投資においては、チャートに張り付いて売買のタイミングを予測する必要はありません。ですから、日々の値動きに一喜一憂することなく、気楽に投資を継続できます。
手間がかからない。
これも長期投資のメリットの一つです。
長期投資には大きなメリットがあることは理解できました。しかし、反対にデメリットはないのでしょうか。
残念ながら、長期投資にもデメリットはあります。
この章では、長期投資のデメリットについて解説します。
長期投資は、文字通り長期的な視点で利益を求める投資です。そのため、短期的には大きな利益を得ることは非常に困難です。
例えば株式。株式に長期投資するということは、投資先の企業の成長を想定します。そして、企業の成長は数週間ではなく数年単位でのスパンが
基本ですから、当然、利益を得るのも数年単位となります。
利益を生むまでに時間を要する。つまり、短期では大きなリターンが得づらい。
これもまた、長期投資のデメリットの一つです。
長期投資するということは、遠い将来の予測を立てて投資するということです。仮に数ヶ月先の動向であれば予測も可能かもしれませんが、5年後や10年後となると、予測はとても困難です。そのため、短期投資とは根本的に考え方も異なります。
長期投資は短期投資と比べてリスクが小さいとはいえ、長期的な運用が前提であることはしっかりと認識しておきましょう。
長期投資では、5年や10年といった長期スパンで資産を運用します。しかし、10年間にわたって資産を運用した結果、失敗してしまったらどうでしょう。お金だけでなく10年の時間をロスします。後悔の念もきっと大きいことでしょう。他に投資しておけばよかった。そう思わない人はいないでしょう。
長期投資は比較的リスクは低くても、ノーリスクではありません。この前提をしっかりと把握した上で、どこに投資するのかという入り口が非常に重要になってくることを認識することから始めましょう。
とはいえ、投資の入門者がひとりで考えたり分析するには限界があります。
そんな時は信頼のおけるパートナーに協力を求めましょう。
長期投資は資産形成の王道です。
なぜなら、投資の本質は「成長」にあり、世界経済が成長すれば投資対象自体も価値が増すからです。そして、長期的視点においては、世界経済は基本的には成長し続けています。つまり、長期投資はかなりの低リスクで利益獲得が期待できるというわけです。
過去を振り返ってみましょう。
この25年の間には、アジア通貨危機やルーブル危機、ドットコムバブル、リーマンショック、ギリシャ通貨危機、チャイナショックなど、金融危機を何度も経験しています。「100年に一度の危機」と言われたリーマン・ショックもありました。しかし、そののときでさえ、一時は資産は大きく目減りしましたが、時間をかけて回復。それどころか成長を遂げています。
まさにこれこそ、長期投資が資産形成の王道と言われる実例です。
そんな長期投資には大きく3つのメリットがあります。
「複利効果を高めやすい」「リスクコントロールがしやすい」「手間がかからない」。
しかし、「利益を得るのに時間がかかる」など、非常に大きなデメリットもありました。これは短期的な目標を持って投資をしている人にとっては大きなデメリットです。
インベスターズビレッジでは主に「投資」と「ビジネス」(経営・M&A)に的を絞って取り上げています。また、様々な分野への投資の知識と実際の流れをカリキュラム+テキストに加えて、実践でも学ぶことを大切にしています。
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