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利回りって何?【投資入門】利回りと利率の違い

2021.01.15

「利回り」に似た言葉「利率」「騰落率」「パフォーマンス」とは

投資をする際、資産を増やすために最も意識しなければならないものの一つに「利率」があります。もし目指すべき利率がわかれば、投資を行う上で重要となるリスクとリターンのバランスも把握できますから、投資をする者にとっては非常に大切な言葉です。

しかし、投資の世界には利率の他に「利回り」という言葉もあって、とても複雑に感じている人は少なくないことでしょう。

利率とは?利回りとは?そして、利率と利回りの関係とは?

今回は投資における必須知識「利率と利回り」をテーマにお話しします。

 

【単語解説】利率、利回り、騰落率、パフォーマンス

 

利率とは

利率(年利率)は、債権の額面金額に対して毎年受け取る利子の割合のことです。表面利率ともいい、債券の利率は発行時の金利水準や発行体の信用度などに応じて決まります。

 

利回りとは

利回り(年利回り)、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことで、金融商品を複数年運用した場合に得られる利息を一年あたりの平均額に直した数字です。

つまり、投資額に対して実際にどれほどの利益が出たのかの割合を示す言葉です。

 

騰落率

騰落率は一定期間内に価格がどれだけ変化したのかを示す数値です。配当や分配金を考慮した価格の変化率を計算したものです。ただし、手数料や税金は勘案していないため、実際の運用損益とは異なります。また、騰落率は過去の実績であって、将来を予想するものではありません。

株式や債権の場合は、一般的には1日の騰落率を評価します。
しかし、投資信託では、1カ月、3カ月、6カ月、1年、3年、5年と中長期の騰落率を評価するのが通常で、月間騰落率を掛け合せた「累積リターン」も重要な指標の一つです。

 

パフォーマンス

パフォーマンスは、株式や投資信託など金融商品の運用成績を表します。

なお、投資している銘柄が日経平均株価やTOPIXなどのベンチマークより収益率が上回っていることを「アウトパフォーマンス」、下回っていることを「アンダーパフォーマンス」と言って、投資信託のケースでは、アウトパフォーマンスかどうかが、運用しているファンドマネージャーの技量を見るポイントになっています。

 

利回りと、利率、騰落率、パフォーマンスとの違い

利回りは「(年間の分配金 + 売却益)÷ 投資金額 ×100」で求めることができます。
では、その利回りと利率、騰落率、パフォーマンスはどのようにことなるのでしょうか。それぞれを見てみましょう。

 

利回りと利率の違い

仮に元本が200万円で、1年間で8万円の分配金を受け取って202万円で売却したとします。この時、200万円で買った金融商品は202万円で売却できているので、売却益は202-200を計算して2万円です。

したがって、利回りは「(8+2)÷200×100」を計算して、利回りは5%であることが分かります。

一方、利率は元本に対する利息の割合ですから、計算式は「分配金÷投資原本×100」。上記と同じケースで考えると、元本200万円に対し、1年間で8万円の分配金を得ているわけですから、「8÷200×100」を計算して、利率が4%であることが分かります。

利回りは投資元本に対する利息を含めた収益割合。
一方、利率は利息のみの割合という違いがあります。

 

利回りと騰落率の違い

配当・分配金込み月間騰落率は、
{(月末の価格+月内の配当・分配金)-月初の価格}÷月初の価格×100 (%)
で求めることができますが、投資信託においては基準価額が一定期間内にどのくらい変動したかをパーセンテージで示したものです。

仮に、基準価額20,000円の投資信託が1年後に21,000円に値上がりした場合、騰落率は5%です。

要するに、利回りは「分配金を含んだ基準価格の騰落率」と言うことができ、分配金がないタイプの投資信託では騰落率がそのまま利回りと言えます。

 

利回りとパフォーマンスの違い

利回りは、投資額に対してどれくらい利益が出たのかのか、その割合を示す言葉です。一方、パフォーマンスはベンチマークを基準にした運用成績です。どちらも利益の出しやすさを表しているため似た意味あいの言葉ですが、パフォーマンスは基準値があります。そのため、利回り10%は決して悪くない数値ですが、ベンチマークが15%ではパフォーマンスが悪いと評価されます。

 

投資における利回りの計算方法

 

投資信託の場合

投資信託は購入時に「販売手数料」を、運用時には「信託報酬」や「税金」を支払います。
また、売却時は「売買損益」を得ますが、「信託財産留保額」や「税金」がかかります。

それを踏まえ、投資信託における利回りは次の計算式で求めることが可能です。

利回り(%)=(売買損益+分配金-販売手数料-信託報酬-信託財産留保額-税金)÷投資元本÷運用年数×100

 

不動産投資の場合

不動産投資の費用項目には「不動産購入費」「家賃収入」「経費」があり、経費には維持管理費や火災保険料、固定資産税などが含まれます。

それを踏まえ、不動産投資における利回りは次の計算式で求めることができます。

利回り(%)=(家賃収入-経費)÷不動産購入費÷運用年数×100

 

株式投資の場合

株式投資の費用項目には、「売買手数料」「配当金」「税金」「売買損益」があります。

それを踏まえ、株式投資における利回りは次の計算式で求めることができます。

利回り(%)=(売買損益+配当金-売買手数料-税金)÷投資元本÷運用年数×100

なお、長期間運用する際は配当金ベースで考える「配当利回り」でも計算ができます。

配当利回り(%)=(1株あたりの配当金÷株の購入金額)×100

 

ソーシャルレンディングの場合

ソーシャルレンディングとは、クラウドファンディングの一種です。個人投資家が企業へ融資し、貸出金利に応じた利回りを得ます。お金を「投資したい人」と「借りたい人」を、インターネットで結びつける点が新しいサービスです。

ソーシャルレンディングに関わる費用項目は、運用中の「分配金」と「税金」。費用項目が少ないため、ソーシャルレディングにおける利回りは非常にシンプルな計算式で求められます。

利回り(%)=(分配金-税金)÷投資元本÷運用年数×100

 

まとめ

利回りは投資元本に対する収益の割合です。
「(分配金+売却益)÷投資原本×100」で求めることができます。

それに対し、利率は額面金額に対する利子の割合です。

また、騰落率は一定期間内に価格がどれだけ変化したのかを示す数値で、利回りは「分配金を含んだ基準価格の騰落率」、分配金がないタイプの投資信託では騰落率がそのまま利回りです。

配当・分配金込み月間騰落率は、
{(月末の価格+月内の配当・分配金)-月初の価格}÷月初の価格×100 (%)
で求めることができます。

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