2020.12.01
EFTはインデックス型の投資信託を、東京証券取引所などで売買できる金融商品です。
インデックス型の投資信託とは、ある指数と値動きが連動するように、様々な株や債券などを組み合わせて運用されている金融商品です。つまり、ETFは簡単に言えば、インデックス型の投資信託を株のように個人で売買できるものですから、投資信託と株いいとこ取りの金融商品と言えます。
今回はそんなEFTについて解説します。
ETFとは、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。Exchange Traded=上場、Fund=投資信託 の頭文字をとったものが語源です。
特定の指数と連動する運用成果を目指していますが、その指数は「日経平均株価」や「東証株価指数(TOPIX)」などの株式だけに止まらず、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)も含みます。
類似商品として、投資信託に「インデックスファンド」がありますが、ETFはそのインデックスファンドが金融商品取引所に上場しているイメージの金融商品です。
ただ、インデックスファンドは1日1回算出される基準価額で1日1回のみの取引きしかできませんが、ETFは金融商品取引所の取引時間内なら、株式と同様、相場の動きを見ながら売り買いすることが可能です。
株は特定の企業への投資ですが、例えばTOPIXに連動するETFなら、TOPIXの算出に採用されている東証一部上場企業に分散投資しているイメージです。つまり、東証一部上場の全銘柄から算出されるTOPIXと連動したETFを購入すれば、現在上場する約2000社に分散投資したことと同じです。
日経平均やTOPIXは、ニュースでも必ず取り上げられる指数です。そのため値動きもわかりやすく、初心者にはイメージしやすい投資法の一つと言えるでしょう。
ETFと投資信託では、大きく3つのポイントが異なります。
ETFと投資信託の違いの一つに、保有コストがあります。
投資信託は、信託報酬として「販売会社」「受託会社」「運用会社」の3社に対して保有コストを支払う必要があります。
一方、ETFは「販売会社」に信託報酬を支払う仕組みがありませんから、その分、信託報酬は割安になります。
ETFは上場していますから、株式と同様にリアルタイムで価格が変動し、いつでも売買が可能です。
一方、投資信託は、1日に1回算出される基準価額のみでしか取引できません。さらに、基準価額の公表は、投資信託の取引の申込を締め切った後です。つまり、当日の基準価額がわからない状況で注文することになりますから、仮に大暴落を引き起こすような事件が起これば、すぐ売り注文を出してもその日のマーケットが終了するまで、その基準価額がわからないという事態が起こってしまいます。
最低購入金額も、ETFと投資信託では異なります。
ETFは株式投資と同様、取引単位(口数)が決められています。つまり「最低購入金額=取引価格×1取引単位」となり、通常は1万円~数万円程度での購入が一般的です。
一方、投資信託は①口数を指定して購入②毎月1000円ずつ積立るといった金額指定での購入も可能です。
ここまでで、ETFの特徴について解説してきましたが、この章ではそんなETFのメリットだけを取り出し、スポットを当ててみます。
ETFは株式同様上場しています。そのため、株式と同様にリアルタイムで価格が変動し、その値動きを見ながら、市場の取引時間内であればいつでも売買が可能です。
また、信用取引ができる点も取引がしやすいメリットの一つです。
しばしば、「分散投資は資産運用の基本」とも言われていますが、それは1つのところに集中して投資すると、大幅な下落があった際に大きな損を生むリスクが高まるからです。
ETFの投資対象となる指数は、様々な銘柄で構成されています。そのため、1つのETFを持つことは分散投資につながり、個別企業の株式に投資するよりリスクを抑えることが可能です。
ETFは、特定の指数と連動するよう運用されるため、値動きがわかりやすい特徴があります。
指数は株式や債券など、市場全体や特定の銘柄群の動向を示すよう数値化されたものです。日本株では、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、海外株ではNYダウ(ダウ工業株30種平均)などが有名です。
これらは日々のニュースで簡単にチェックすることが可能なため、ETFは値動きが把握しやすいというメリットが認められています。
ETFは広義には投資信託とも言えます。そのため、保有期間中に運用管理費用として「信託報酬」というコストががかかります。
が、投資信託の信託報酬は「販売会社」「受託会社」「運用会社」の3社に支払う必要があるものの、ETFは「販売会社」に信託報酬を支払う必要がありません。そのため、一般的な投資信託と比べると信託報酬は低くなる傾向にあります。
ETFは日本株式だけに限りません。他にも、日本債券、外国株式や外国債券、REIT(不動産投資信託)、商品(コモディティ)など、様々な指数に連動するものがあるため、手軽に海外資産や商品に投資することができるメリットもあります。
ETFは投資ですから、当然リスクなどのデメリットがあります。
今まで解説してきたETFの特徴をベースに、この章ではデメリットだけにスポットを当ててみます。
ETFには2つの価格があります。上場株式としての「市場価格」と、投資信託としての「基準価額」です。
市場価格は市場の需給で決まります。そのため、その市場価格と、投資信託の価値である基準価額とが乖離する可能性はゼロではありません。
他にも、流動性が低いファンドでは希望する取引所価格で売買が成立しないことがあるため、流動性のリスクも考えられますし、上場廃止リスクも考えられる点はデメリットです。
基本的には、ETFはリアルタイムで価格をチェックし、自身で売買を行います。そのため、自動積立がしづらい面は否めません。
確かに、毎月一定の金額で株式を買い続ける「るいとう(株式累積投資)」という制度を利用した積立投資は可能です。が、それは一部の証券会社に限られますから、自動積立投資がしにくいというのはETFのデメリットと言えるでしょう。
ETFの配当金(分配金)は、自動で再投資が行われません。
一般的な投資信託では、組み入れ銘柄の配当金や利息は運用経費を差し引いて、決算時にすべて分配します。しかし、ETFにおいては、支払われた分配金は自動で再投資する仕組みがないため、再投資する場合は自分で買い付けを行う必要があります。
すべてのETFは、一般には保有しているすべての銘柄は毎日開示されます。また、商品性において類似部分が多いといわれるインデックス投信とは個別銘柄の集め方に相違があり、それが信託報酬を相対的に低く設定できる要因となっています。
つまり、透明性の高さと運用コストの低さ。
これが、ETFが金融業界において「20世紀最大の発明」と言われている理由でしょう。
ただ、だからといってETFが最も優れた投資方法とは限りません。なぜなら、資産運用は他にも数多くあるからです。
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