レポート

長期・分散・積立【資産形成の王道】なぜ投資において「分散」は重要と言われるのか

2021.02.09

資産形成の王道「分散投資」

世界的にも資産形成の王道と言われている「長期・分散・積立」。金融庁の「平成27事務年度 金融レポート」においても、「リターンの安定した投資を行うには、投資対象のグローバルな分散、投資時期の分散、長期的な保有の3つを組み合わせて活用することが有効である」とあります(2016年9月)。

そこで今回は、長期・分散・積立の中でも「分散」に視点を当て、なぜ投資は「分散」が王道と言われるのかを考えてみたいと思います。

 

卵は一つの籠に盛るな

 

相場格言「Don’t put all your eggs in one basket.」

卵は一つの籠に盛るな。

これは最も有名な相場格言の一つです。語源は「Don’t put all your eggs in one basket.」。欧米で古くから使われているフレーズを日本語訳したものです。

持っている卵の全てを1つだけの籠に盛ると、落としてしまった時に全部割れてしまう可能性があります。しかし、複数の籠に盛っておけば、そのうち1つの籠を落としてしまったとしても他の籠に盛られた卵からやがて“ヒヨコ”が生まれ、”ニワトリ”に育つ可能性があります。

つまり、「全滅のリスクを避けるためにも、卵は一つの籠に盛るのではなく複数の籠に盛りましょう」という意味の言葉です。

投資の世界における「卵は一つの籠に盛るな」の意味

先の格言を投資の世界に置き換えてみましょう。すると、この格言は、

1つの個別銘柄、1カ国のマーケット、1つの資産(たとえば、「株式だけ」や「FXのみ」)に集中投資するのは、それだけリスクが高まる。

という意味になります。

もしリスクを抑えたいなら、分散投資を心がけましょう。

 

分散投資の2大メリット

「卵は一つの籠に盛るな」に集約されている資産形成の王道「分散投資」には大きなメリットが二つあります。
「リスクの低減」「タイミング」です。

それぞれについて詳しく見てみましょう

 

リスクの低減

分散投資における最大のメリットは、投資リスクの低減です。

仮に1つの投資先にすべての資金を集中させた場合、その運用が失敗すれば影響は全体に及びます。しかし、分散投資を行っていればそのようなリスクを低減でき、安定的に利益を得る可能性が高められます。

 

タイミング

1つの投資先に集中して投資をした場合、利益を上げるためにはタイミングが非常に重要になります。そのため、売買サインや経済状況など、さまざまな知識や情報を仕入れて対応しなければなりません。

しかし、分散投資では長期的な成長による利益を期待しているので、売買タイミングを見極めたり、利確や損切りについて気にしたりする必要は比較的薄くなります。

要するに、投資に手間がかかりません。

 

分散投資の2大デメリット

資産形成の王道「分散投資」には、残念ながらデメリットも存在します。

「管理の手間」「短期間で大きなリターンは難しい」。

この二つが代表的なデメリットです。
早速こちらもそれぞれ見ていきましょう。

 

管理の手間

分散投資のデメリットの一つは、管理の手間です。

分散投資は文字通り「分散」しますから、複数の投資対象に資金を投入します。そのため、複数の投資先についてそれぞれ把握する必要があります。

分散投資はリスク低減のための施策です。しかし、数が増えすぎれば管理が難しくなり、逆にリスクを高めます。分散投資を行う際は、自分が把握できる数を意識することが重要です。

 

短期間で大きなリターンは難しい

短期間で大きなリターンはあまり期待できない。

これもまた、分散投資のデメリットとなります。分散投資は投資リスクを低減できる一方、その分リターンが減ってしまいます。そもそも、分散投資は長期的な資産運用に適した投資手法です。短期スパンで大きなリターンを狙うなら別の方法を考えるべきでしょう。

 

分散投資の具体的方法

ここまでで、分散投資のメリット・デメリットを解説してきましたが、分散投資には具体的にどのような方法があるのでしょう。一般的には「商品の分散」「地域の分散」「通貨の分散」「時間の分散」の4つがあると言われています。

この章では、具体的な分散投資を紹介します。

 

商品の分散

例えば債券や株式のように、リスク特性の異なる商品に分散投資をしておけば、長期的には収益率の変動を抑えることができ、リスクを低減できます(一般には、債券と株式は逆方向に動くと考えられています。そのため、仮に株価が大きく下がっても、債券価格が上昇すれば大きな損失を防ぐことができ、収益の安定化が図れます)。

他にも、リスク・リターンの高さが異なる資産への分散投資も有効だと言われています。

 

地域の分散

投資を国内に限定せず、世界に分散させることで収益を安定化させる。これも分散投資の一つです。

例えば、日本の株価が低迷したとしても、米国や欧州、アジアの株式市場が好況であれば、ポートフォリオ全体の収益率の変動は抑えられます。

 

通貨の分散

様々な通貨への投資も大きな分散効果が期待できます。

具体的には、日本円だけではなく、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどの外貨建て資産に分散したり、日本円建てで海外の株式などを購入したりする、というものです。

通貨を分散しておけば、仮に円の価値が下がっても、他の通貨での補填が可能になり、為替変動リスクを抑えることができます。

国や地域の分散、および通貨を分散して投資することを「国際分散投資」とも呼びますが、これは分散投資の柱です。また、「伝統的4資産(国内の株式と債券、海外の株式と債券)」の保有は「投資の基本」とも言われています。

 

時間の分散

すべての投資を一度に行わず、数回に分けて投資することで、投資のタイミングを外してしまうリスクを回避することができます。

これが「時間の分散」です。

例えば、短期の株式投資を行う場合には、安く買って高く売り、利益の確保を狙います。しかし、購入時の株価が安いのか高いのかは、容易な判断ではありません。そこで、時間を空けて数回に分けて購入すれば、高値で購入するリスクを低減させることが可能です。

また、「ドルコスト平均法」による継続的な資産購入も時間の分散です。これは、価格が変動する投資対象を一定期間に一定額で買い付け、価格が低いときは多めに、価格が高いときは少なめに購入するというもので、平均的な買い付け単価を抑える手法です。

 

まとめ

卵は一つの籠に盛るな。

これは最も有名な相場格言の一つで、分散投資を推奨する言葉です。一つの籠にすべての卵を入れていると、落としてしまった時に全滅してしまう。投資も同じで、一つの資産対象にすべてをつぎこむと、不測の事態が起きた時に大きな損失を被ってしまいます。

ゆえに分散投資は資産形成の王道と言われているのですが、その分散投資の具体的手法は4つあります。
「商品の分散」「地域の分散」「通貨の分散」「時間の分散」です。

しかし、投資にリスクはつきものです。いくら分散投資をしてもリスクがゼロになるわけではありませんし、分散投資にもデメリットはあります。

その最大のデメリットは、「短期間で大きな利益は得づらい」です。

では、リスクが低く大きなリターンが期待できる投資はこの世の中に存在しないのでしょうか。
一般的には「ない」と答える人が多いようですが、「ないことの証明」は「悪魔の証明」とも呼ばれ、「ないことの証明は難しい」ものです。

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