レポート

預金が損する時代到来?!今の日本では、お金の価値が目減り中

2020.08.31

【預金のリスク】インフレでお金が目減り中

2019年の年間平均の消費者物価指数(総合指数)は、前年比0.5%の上昇でした(総務省発表)。日本銀行が目指している年2%の物価上昇率には届きませんでしたが、3年連続の物価上昇を記録しています。

一方、預金金利は依然として超低金利。

この二つから言えることは、今の日本では「預金は損をする」ということです。

どういうことなのか。

物価上昇率と金利の関係について解説した上で、これからの日本で暮らすにはお金はどうすべきなのか、それを一緒に考えたいと思います。

 

消費者物価指数とは?

消費者物価指数とは、モノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標です。総務省が500品目以上のモノの値段を調査し、毎月公表しています。

ちなみに、最近はずっと消費者物価指数は上がっています。目標は、7年前の2013年、日本銀行が物価安定目標として掲げた年2%。7年経った今でも安定的に2%の物価上昇を記録する状況にはなっていませんが、物価の上昇は僅かですが継続しています。

つまり今の日本では、「緩やかにモノの価値が上がっている=緩やかにお金の価値が下がっている」のです。

 

物価上昇率と金利の関係

仮に、「物価上昇率=年1%」かつ「預金金利=0.1%」の状況下で、預金が100万円あったとします。

この時、物価上昇率は年1%ですから、100万円で売られていたものは来年には101万円に値上がりしています。しかし、100万円の預金は金利が0.1%なので、来年の預金額は実質的に100万1,000円の価値です。

要するに、1年間で預金の価値が9,000円ほど目減りしたわけです。

では、目標の物価上昇率2%時、現金の目減り具合は一体どれほどのものなのでしょう。

野村証券によれば、日銀が目指す物価上昇率2%が安定して叶った際、預金金利を0.017%とすると、銀行への預金100万円は10年後には実質「約82万円」、20年後には「約67.3万円」の価値になってしまうと試算しています。

いかに預金のリスクが高いかが伺えます。

では、そんな状況下に置かれている私たちは、将来的にお金をどのようにすればよいのでしょう。何かいい方法はあるのでしょうか。

正解かどうかは断言できませんが、昭和の時代は参考になりそうです。

 

「物価上昇率>金利」のとき、昭和に生きた人はどうしたか。

1970年代から1980年代前半にかけては、日本は今よりもっと物価上昇率が高い状態にありました。つまり、預金が資産を目減りさせている状況です。

では、当時の人はどうしたか。全員が全員というわけではありませんでしたが、預金を不動産や株などに変え、実質的に資産を守ろうとした人は多くいました。これは参考になりそうです。

確かに、今は当時に比べればそれほど物価上昇率が高いわけではありません。が、物価上昇率が預金金利を上回っている状況は同じです。つまり、資産の目減りを防がなければならないことには変わりはないのです。

もちろん、株式や不動産が、必ず物価上昇率を上回る上昇率で値上がりするのかと聞かれれば、それは断言できません。ただ、景気拡大に伴い、買い物をする人が増え、モノの値段が上がるという「いい状態」の物価上昇が起きているなら、株価も土地の値段も上がるはずです。むしろ中長期的に日本経済も世界経済も成長していくという前提に立つなら、この考え方はかなり有効だと言えます。

実際に、今から30年ほど前に、100万円のお金を代表的な4つの資産である「国内債券・国内株式・外国債券・外国株式」に25万円ずつ均等に分けて投資をし、約30年間ほっておくとどうなるか計算してみました。4資産の代表的な指標で計算すると、当時の100万円は現在では400万円ほどに増えています。

100万円が30年で400万円になっている。
つまり年5%近い利回りで複利運用したことと同じです。

当然、今後30年、当時と同じようになるかどうかはわかりません。しかし、今後の物価上昇に備えるためにも、様々な資産に分散して保有しておくことは無難な資産運用の方法として誰もが実践すべきものではないでしょうか。

 

「投資は汚いお金」という洗脳から解放されよう

現代の日本人は投資を嫌う傾向にあります。
危ない。怖い。汚い。
投資について、そんな洗脳をされているとしか思えません。

実際、内閣府の世論調査では次のような結果が公表されています。

現在証券投資を行っているか聞いたところ,
「現在行っている」と答えた者の割合が9.8%,
「以前行っていたが,現在は行っていない」と答えた者の割合が8.8%,
「行った経験はない」と答えた者の割合が79.7%。

都市規模別に見ると,「行った経験はない」と答えた者の割合は小都市,町村で高くなっていて、都会で暮らす人ほど投資を行っています。

性別で見ると,「行った経験はない」と答えた者の割合は女性が高くなっています。

年齢別に見ると,「行った経験はない」と答えた者の割合は20歳代,30歳代が高い傾向にあります。つまり、人生経験の豊富な中高年者は投資を行っています。

いずれにせよ、投資を行った経験がない人が日本の約8割を占めていて、さらに、今後株式への投資を行ってみたいと思うか聞いてみると、「行うつもりはない」とする者の割合は82%にも上るのです。

しかし、世間の認識とは反対に、今の日本においては預金のリスクが決して低くありません。むしろリスクが高い状況が続いていて、したがって安全に投資することは非常に重要です。

インベスターズビレッジは主に「投資」と「ビジネス」(経営・M&A)に的を絞って取り上げています。また、様々な分野への投資の知識と実際の流れをカリキュラム+テキストに加えて、実践でも学ぶことを大切にしています。

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