2020.12.01
資産運用や投資という言葉は、必ず毎日目にする単語の一つでしょう。
では、この二つの単語「資産運用」と「投資」。これらは同じ意味なのでしょうか。
確かに、一見すると同じ意味に受け取れますし、実際、多くのシーンでは同じような意味で使われています。また、どちらの言葉を使っても意味が通じるので特段に問題はないといえるでしょう。
しかし、実はこの2つの単語は似て非なるものです。そして、この「資産運用」と「投資」の違いを把握しておけば、お金の知識を身に付けるときに違和感なく理解することができます。
そこで今回のテーマは「資産運用と投資の違い」。
資産運用と投資においては、違いはどこにあるのでしょう。詳しく解説します。
「資産運用」と「投資」。この二つの単語を、辞書はどのように区別しているのでしょう。広辞苑で調べてみました。
広辞苑には、「資産運用」という単語の解説はありません。ただ、「資産」「運用」をそれぞれ調べてみると
資産:現に人や団体が保有する土地・建物・金銭・再建・株式などの積極財産。
運用:うまく機能を働かせ持ちいること。活用。
とあります。
つまり、資産運用とは、「自分の財産をうまくかつようして増やしていくこと」という意味になります。
一方、投資とはどういう意味なのでしょう。広辞苑によれば、
投資:利益を得る目的で、事業に資金を投下すること。
とあります。
つまり、投資とは、利益を得る目的で事業や証券、株などに資金を投じることです。あくまでも目的は「利益を得る」です。
上記では、資産運用と投資において、辞書による違いを見てきました。
この章ではさらに深掘りして、3つの側面「定義」「時間」「リスク」から、資産運用と投資の違いを解説します。
上述の通り、投資とは「利益を得ることを目的とし、株や債券などの金融商品、事業などに資金を投じること」です。一般的には「株式に投資する」や「不動産に投資する」といった使い方をします。
一方、資産運用とは「自分が保有する資産を増やす、または減らさないことを目的とし、投資や貯蓄をすること」です。つまり、ただ預貯金しておくだけでも資産運用をしていることとなり、「投資とは資産運用の方法の一つ」と言えます。
投資と資産運用、どちらの方がリスクが大きいと感じますか?
おそらくこの質問に対しては、ほとんどの人が「投資の方がリスクが大きい」と答えるはずです。そして、そのイメージの通り、「ハイリスクが投資」、「ローリスクが資産運用」と分けることもあります。
例えば、株で運用するケースを考えてみましょう。
この場合、人によってリスクに対する考え方で使う言葉が異なります。株のリスクが大きいと考えている人は、「私は株に投資をしている」と言うでしょう。一方、株のリスクが小さいと考えている人は、「私は株で資産運用をしている」と表現することでしょう。
要するに、運用する人のリスクに対する考え方の違いであり、運用スタイルの違いによって「資産運用」か「投資」かが決まることもあるのです。
ちなみに、日本人は投資より資産運用を好む傾向にあります。なぜなら「リスクを背負いたくない」という考えの人が多いからです。
「資産運用」という言葉は、長い時間を要する場合に使用される傾向にある単語です。例えば、不動産を購入し、30年間に渡って家賃収入を得たとします。この場合には、不動産運用によって大きな利益を得た、と使います。
一方、「投資」という言葉は、短期間で利益を出す場合に使用される傾向にある単語です。例えば、株を購入して3ヶ月後に、価値が3倍になったので全ての株を売却したとします。この場合には、株式投資により大きな利益を得た、と使います。
このように、要する時間の違いが「資産運用」と「投資」の違いといえます。
ここまでで、資産運用と投資の違いを様々な側面から解説してきましたが、結局のところ、投資と資産運用を分ける明確な基準はありません。あくまで上述のように捉えられることが多いというだけです。
また、投資や資産運用を実践している人の感覚によっても、資産運用と投資のニュアンスは異なります。
とはいえ、投資と資産運用には「定義」、「リスク」、「時間」という違いがあることは理解しておくべきです。これらの違いを理解しておけば、自分がどのように行動すべきか、そして何を知るべきか、学ぶべきか、より深く読み解くことができるようになるからです。
資産運用で投資を選ぶなら、チェックしておくべきポイントが3つあります。それは、「運用する期間」「リスクヘッジ」「資金額と目標額」、この3つです。投資を始める前には最低限、この3つはしっかりと把握しておきましょう。
運用する期間は、投資をする人によって様々です。基準はありませんし、推奨期間もありません。ただ、運用する期間についての考え方の基準はあります。それは「目的」です。
例えば、「子どもが大学進学するまでにお金を貯めたい」とします。この場合、運用期間は子どもが大学に入学する前までと設定すべきでしょう。
あるいは、「リタイア後の年金がわり」が目的なら、当然先述のケースとは期間は変わります。
自分がどのような目的をもって投資を始めようとしている。
それ次第で運用期間は異なりますから、まずは目的をしっかりと確認しておくことは非常に重要です。
投資にはリスクがつきものです。したがって、資産を減少させないためにも、リスクヘッジの方法を考えておくことは必要です。
一般的には、投資の基本は分散運用と言われています。全額を1種類の投資方法で運用するとリスクが大きくなるからです。
いずれにせよ、どの投資方法を抱き合わせて運用するか、リスクヘッジについてもよく検討しておきましょう。
資金はいくらあって、目標はいくらなのか。どのくらいの資金をどこまで増やしたいのかによっても、投資すべき種類は変わります。
例えば投資に使える金額は少額だけど、短期間で大きな利益を出したい場合は、FXや仮想通貨など、価格変動が激しい投資が適しています。
反対に、銀行から融資を受け、長期的に継続して利益を出したい場合は、不動産投資やREITなどが適しているでしょう。
このように、資金額と目標額によっても投資の内容は変わります。資金はいくらで目標額はいくらなのか。投資の前には必ず整理しておきましょう。
資産運用と投資。
多くのシーンでは同意語として使用されていて、実際、どちらの言葉を使っても意味が通じるケースがほとんどですから明確な違いを理解する必要はないのかもしれません。しかし、実際にお金の知識を身に付けたいのであれば、この二つの単語の違いは把握しておくべき事柄でしょう。
資産運用と投資は、3つの側面において違いがあります。「定義」「リスク」「時間」です。
定義上の違いは、
自分の財産を活用し、資産を増やすのが資産運用。
利益を目的とするのが投資。
リスクにおける違いは、
ローリスクが資産運用。
ハイリスクが投資。
時間における違いは、
長期が資産運用。
短期が投資。
と認識されています。要するに、人によって「資産運用」と「投資」は単語の使い方が異なるわけですが、いずれにせよ、投資は資産運用の一つです。
では、こうした違いを踏まえ、あなたはどのよに資産運用を行いますか。まずはもっと学んでみませんか。
インベスターズビレッジは主に「投資」と「ビジネス」(経営・M&A)に的を絞って取り上げています。また、様々な分野への投資の知識と実際の流れをカリキュラム+テキストに加えて、実践でも学ぶことを大切にしています。
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